どこの国でも「若者」と言うものは、時間と元気を持て余してグダグダしているものかも知れませんが、ウルグアイのそんな典型的な若者が垣間みれるのがこの映画です。
舞台はモンテビデオ、ウルグアイ。土曜日の朝7時。3人の若者が主人公です。
ウルグアイの週末のパターン通り、彼らも夜遊び後なのですが、そのまま家に帰る気にもなれずグダグダし、ビールをラッパ飲みしてくだらない冗談を言い合っているところから映画は始まり、彼らの土曜日の一日を追っています。
気を入れて勉強する気にもなれず、かと言って働くのも嫌、将来何をしたい訳でもないし、親もあり親の家に住んでるので何をしなくてもそれなりに不自由なく生きていける...。典型的な若者像ですねw。言うなれば「トレインスポッティング」ウルグアイ版です。
もう映画を見てると、「うわ〜〜、こんなグダグダなちきりん(Chiquilin, 若者)達、その辺にごろごろしてるわー」と親愛の情とちょっとの嫌悪感がまざって沸いて来ますし、 各場面で「あーあるある!」と言いたくなる超ウルグアイ的ディテールが満載です。歩道でうっかり犬のフンを踏んじゃったとか、週末の朝早くのテレビは牧畜番組で面白くないとか...。
しかしこの映画、なかなか外国人には難易度が高い。なんせ話されてる言葉が非常に口語なので、セリフの80%が教科書で習わないウルグアイ独特の表現で放されてます。また若者なので、もごもごと早口で話す上に使う言葉の50%が汚い言葉ですしw。でもウルグアイのスペイン語を練習したい方には、非常にためになる教材ですよ(そんな人居るのかな...)。
この映画のメッセージは何なのか、見る人によって解釈は別れるでしょうが個人的には、早く何者かにならないとね、という風に受け取りました。なぜかというと、この若者達、いい目には会ってないんですよね。お母さんは週末ビーチの家へ出かけちゃっておばあちゃんの世話を押し付けられたり、密かに恋してたイタリア語の先生には相手にされてなかったり、彼女に振られたり。
若者って、もう無条件に可愛がられる時期は終わり、その無力さ故にまともに扱われず、かといって自分で自由を勝ち取るほどの力もまだ無い。そんな不条理な時代を耐えてる人間の事をいうのかもしれません。頑張れ、君たちには未来がある。