人の国の台所事情なのですが…。1ペソ=約5円換算でお読み下さい。
ウルグアイにおける中央労働団体、
Pit-Cnt(ウルグアイ労働組合連合会-全国労働者連合)の調査によると、2011年のウルグアイの労働者の手取り月収は10,000ペソかそれ以下の労働者が約61万4千人だったそうです。これは労働者の約40%にあたります。
もちろんこのお給料では食べて行けないので、その場合は仕事を掛け持ちするのですが、上記の賃金は主な収入源としている職業の月給の額です。
さらに、月収14000ペソ未満の労働者905.082人を含めると、実に80%の労働者(1.585.736人)に登ります。
また、主な収入を得ている職業の手取り月収が、2011年の最低賃金の6000ペソ未満だった労働者は、228.760人になります。
6000〜10000ペソの労働者は385.364人です。
特に収入が低いのは、女性、若者、地方(モンテビデオ以外の県)居住者、低学歴者です。
性別では雇用されている男性で月収が10000ペソ未満の割合が35%に対して、女性は40%。
年齢別では、25〜54歳で31.8%に対して、25歳未満では63%です。
学歴別では、小学校卒業で54%、10000〜20000ペソの割合は36%です。
業種別では、農牧業、商業、家事使用人、その他サービス業です。
商業分野では、月収が10000ペソ未満の労働者が多いのは公共サービスおよび個人事業(130.480人)、次いでレストラン及びホテル(109.331人)。製造業では約63.822人、農業・牧畜業・漁業では51.700人でした。建築業では22.098人、運輸および通信では21.787人、金融業で23.923人です。
また、もうひとつの問題が申告してない収入(ブラック労働による収入)です。月収10000ペソ未満の労働者の43.8%がブラックと言われており、彼らは当然社会保障費を収めてません。これは労働者全体の26.8%を占めます。
一方で、月収が50000ペソを超える労働者は、2011年は68.276人でした。これは労働者全体の4.3%に過ぎず、このうち14.7%はブラックだとされています。この月収の高い群は大卒で、金融業に従事する人が集中しています。
大卒の33%が30000-50000ペソを稼いでおり、23%が月収50000ペソ以上を得ています。
分野別では、収入が高いのは、金融業でこの分野の労働者の25%が30000ペソ以上の月給を得ており、9.2%が50000ペソ以上を得ています。
実際は、50000ペソ以上の労働者が最も多い分野は公共サービス業および個人事業で、18.361人です。ついで、金融業 (7959人)、製造業(3696人)、商業・レストラン・ホテル(3700人)。最も少ないのが運輸および通信(1985人)、農業・牧畜業・漁業(1117人)、建築(597人)です。
ウルグアイの2011年の平均月収は15360ペソと
発表され、これは前年から14.3%の上昇で、ウルグアイの好景気と最低賃金引き上げの取り組みが実を結んだ結果と言えます。
最低賃金は2011年1月に25%引き上げられて6000ペソ、2012年3月には7200ペソまで引き上げられ、多くの労働者の状況は改善していると言われています。
とはいえ、実際にはウルグアイで月収15360ペソで生活をするのは非常に厳しいです。
また、月収でも浮き彫りになったように、モンテビデオと地方との賃金格差もあり、モンテビデオの平均月収は18688ペソですが、次いで高いパイサンドゥ、コロニアでそれぞれ12372ペソ、11486ペソ。マルドナード、リオ・ネグロで12198、11943ペソ。これらはもらってるほうの県です。
中間に位置するのは、ドゥラスノ、フローレス、タクアレンボ、ソリアノ、セロ・ラルゴがだいたい10000ペソに届くか届かないか。カネローネスとサンホセが10000ペソより少し高くて10123ペソ。
最も低かったのはアルティガスで7983ペソ、トレインタイトレス、フロリダ、ラバジェハ、ロチャ、サルトでも平均賃金が9000ペソを割っています。
今回のPit-Cntの調査では、平均賃金こそ上昇していますが、労働者の大半の賃金がまだ低い水準に留まっている事、最低賃金に届いていない労働者が多く残っている事から、賃金の底上げの取り組みがまだ必要な事、また性別等による賃金格差がある事が浮き彫りになったと言えます。
出典:
El país 11.07.2012