6.07.2013

ペニャロール・カンペオン!!の祭りの後

さて、今週火曜日のディフェンソールとの試合に勝利し、今年のウルグアイリーグ(正確には2012年後半〜2013年前半の1年間)の年間王者は、ペニャロールに決まりました。



 やはり大一番の試合、いつもの通りバスに乗ればラジオ中継がガンガンかかっており(但し運転手がペニャロールかディフェンソールファンのバスに限る)、ペニャロールのヒーロー、8番パチェコがゴールを決めたらクラクションが鳴り、試合終了時には花火と爆竹、といういつもの通りの騒ぎ方でした。


と、わいわい喜んでるだけなら可愛いですし、まあ花火くらいなら犬や猫が怖がる位でたまには受け入れようかという気になるのですが、その一方で不穏な動きもあり。ファンがお祝い騒ぎに便乗して商店のショーウインドーを破壊したり、略奪したり、放火したりしたのです。一番被害が大きかったのは畏れ多くも最高裁判所。ガラスを割って乱入し、パソコン等を盗んでいったそうです。



セントロで最も騒いでいたのは300人ぐらいの集団だったそうですが、もちろん警察と衝突し、この騒ぎで89人が逮捕されたそうですが、証拠不十分で釈放されています。



私も試合の翌日にいつものように何気なく目抜き通りの18 de Julioを歩いていたら、何件ものお店のショーウインドーが割られてて、何が起こったのかびっくりしました。


 また話題になったのが、この騒ぎで燃やされてしまった街角のキオスコ。オーナー夫妻がなけなしの貯金をはたいて買ったこのキオスコ、心ないファンの大騒ぎで一夜にして灰になってしまいました。


2人の子供が居るこの一家はこのキオスコで生計を立てていて、このご夫人はあまりのがっくりと理不尽さにどう立ち直っていいやら、インタビューで涙ながらに語ってました。

しかしこの件は、新聞・雑誌販売業の組合が新しいキオスコを購入し、一家にプレゼントすることで一件落着となりました。また、「真のペニャロールファン」を自負する良識のある人たちの間で、一家への募金も募られています。



もちろんこれでペニャロールファンのすべてが語られる訳ではありませんし、どの団体でも一部のたちの悪い人間は居ます。これがナシオナルであったって、暴動は起こらなかったとは断言出来ません。それにもしかしたらペニャロールファンの姿を借りて、鬱憤を晴らしたかった人間が便乗しただけかもしれません。ただ、ウルグアイのサッカーファンもタチが悪くなって来た、というのは事実です。


それにしてもたかだかサッカーで命の危険があったり、強奪・強盗の危険があったり。南米とは言え、ついこの間までのウルグアイでは考えづらかった事が急に起こり始めました。ほんとにばかばかしい、繰り返しますが、たかだかサッカーですよ(自分もサッカーファンですが、人の命と比べたら、やっぱり「たかだか」です。)。南米と言ったって、サッカーで命を落としたり人生が悪い方に変わるのは受け入れられる訳ありません。



さて、これはモンテビデオの生活の厳しさから庶民の鬱憤が溜まって来ているのか、はたまた若者を中心とした躾の欠如から来ているのか、どちらにしても、平和なウルグアイが好きな自分には、まったく好ましくない動きです。

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