8.22.2012

アルゼンチンTV番組にカニーヒア兄妹が出演

隣国アルゼンチンのネタを拝借して恐縮ですが、ウルグアイでも放映されていますので…(言い訳)。


今回は、元アルゼンチン代表、カニーヒア世代のかたにドンズバのネタです。
格好よかったですね〜 。日本でも大人気でした。




アルゼンチンには"Bailando por un sueño"という番組がありまして、ペアが何組か出て来て、踊りを評価されるという番組です。

アメリカの"So you think you can dance"みたいなもんかな?と最初は思っていたのですが、かなり違いました。


アメリカのそれが真剣にアメリカンドリームを目指して出演者が勝ち上がるところにドラマがあるとすれば、アルゼンチンのそれは、踊りはともかくとして、ジャッジの辛辣な評価と、それに口答えする踊り手との下世話な痴話ゲンカっぷりにドラマのキモがあります。

また衣装もかなり扇情的。というかあんまし衣装は重要視されていないというか→かなり脱ぎますんで。
今でこそ12時ごろに放映されているようですが、少し前はもうちょっと早い時間帯で、これ、子供が見てもええんですか??と、ヨソの国の青少年の事ながら、真剣に心配してしまいました。


この番組に対するウルグアイ人の反応は『派手で馬鹿げていて、教育上良くなくて、アルゼンチンって感じだよね〜。』といい反応をしないくせに、内容はしっかりみんな知ってるんで、なんだ、結局見てんじゃん、って感じです。

ウルグアイ人はアルゼンチンから入って来る風俗を派手で下品で中身が無くて教育上よろしくないと嫌っており、その一方で自分たちはもっと質素で堅実だと思っています。でも結局見てるんですけどね…。


閑話休題。
この番組に、最近クラウディオ・カニーヒアの子弟たちが出演しています。2番目に産まれた二卵性の双子、アレクサンダーとシャルロットです。


 
シャルロットはもともとブルネットなんですが、ママのようにド金髪に染めてアルゼンチンの芸能人らしくなって登場。でも彼女、ヨーロッパで育っているので、アルゼンチンの文化を殆ど知らない、ドルセ・デ・レチェも食べないとか前トーク番組で言ってましたね。

あほかわいいお嬢様キャラを前面に出しており、しゃべりはあほっぽいのですが、なんせ可愛らしいんで、私はけっこう好きです。ラテンの女性にありがちな、性格がつよそーな毒っ気が感じられないのが、なんともここでは新鮮。



アレクサンダーは昨夜、パパの扮装をして出演。
顔はかなりお母さん似だと思うんですが、骨格は父ちゃんだな!という感じです。
(まあ、お母さんは鼻筋とかすっかり変えちゃってるので、似てるも何もわかんないんですけどね…。)



そうそう、お母さんと言えば、たまに本当にお母さんまで出て来ちゃって、いろいろ喋り散らかすんで、これまた大変。



ちなみに、 この一家にはアクセルと言う長男がおりまして、画家です。派手好き・浪費好きのママに育てられ、双子はその道を続いていますが、長男は芸術好きの物静かな人間に育ったようで、この一家ではoveja negra(黒羊、変わり者)という位置づけ。



個人的には、パパの出演も待望しております!

8.14.2012

ウルグアイ vs フランス戦 予想スタメン

さて、マエストロ・タバレス監督が明日8月15日16:00〜(ウルグアイ時間)の、ウルグアイ vs フランス親善試合のスタメンを発表しました。


以下の通り;
Fernando Muslera, Maximiliano Pereira, Diego Lugano, Diego Godín, Mauricio Victorino, Álvaro Pereira, Walter Gargano, Diego Pérez, Cristian Rodríguez, Diego Forlán, Sebastián Abreu。

オリンピック出場組大人枠のLuis Suarez(スアレスはそれに加えてイエローカード累積…。), Edinson Cavani, Egidio Arévalo Ríosは今回はお勤め免除、召集されず。Gastón RamírezとMartín Cáceresは怪我のため召集されませんでした。

なお、控えは以下のメンバー。
Martín Silva, Sebastián Coates, Matías Aguirregaray, Álvaro González, Sebastián Eguren, Nicolás Lodeiro, Emiliano Alfaro, Sebastián Fernández。


これまでのお馴染みのスタメンとはかなり違うので、どういう風な試合になるのか、楽しみです。個人的には前線の平均年齢の高さでどう闘うか、興味あります。

8.11.2012

ウルグアイ人、人口一人あたりの栄光

どーうしても、違和感を感じずにはいられないCMがあるんですよね。


それがこれ↓。ウルグアイの製糖会社Bella UniónのCM。


内容は、ウルグアイつーのは人口300万人余の小さい国なんですが、栄光に満ちた国であるというのを、人口1人当たりのW杯とコパアメリカの数で説明してるんですね。

だいたい言っている事はこういう感じです。
『ウルグアイは小さい国だけど、特別な国です。
人口1人あたりの栄光はすごいんです。
ブラジルがウルグアイの一人当たりのカップ数を同じだけ持とうとすると、247回W杯で優勝しないといけないし、880回コパアメリカで優勝しないといけない。アルゼンチンの場合は47回W杯優勝、コパアメリカ171回優勝が必要。ブラジルの場合は今から3002年までぜーんぶW杯で優勝しないといけない計算です。

ウルグアイは多くの優勝を勝ち取った事実よりも、我らがこの成功の一部であることに喜びを見出しています。ウルグアイ人の犠牲、才能、特に我らの仕事。この土地をさらに栄光に満ちたものにするエネルギーとなる誇り。 』

もしこんなCMを日本が作って「日本は○○な感じなんで我らは韓国や中国よりすごい国です!」とか作ったら、すごい問題になりそうなんですが、 まあその辺は南米的大らかさで何とも無し(というかまともに相手にするまでもない内容と言うか。)


このCMって、すごくウルグアイの国民性を説明しているなあとしみじみ感心するのですが、それは何かと言うと、ほんま過去の栄光が好き。 過去の栄光を見て現在の課題を直視しないと言っても過言ではないです。現状を改善する為には、自分たちのイケてないところを粛々と受け入れる事が必要なんですが、結局このCMのように、『我らは栄光に満ちた国のスバラシイ国民だし!』って考えにヒョイッと戻って思考停止。


あと、ウルグアイ国の現在の実力を冷静に把握したがらない。
人口が少なすぎてみんな家族のような親密感があるせいか、サッカーの実力がそのまんまウルグアイ国の実力のように宣伝されすぎてる嫌いがあります。それは2010年のW杯以降、顕著なようですが。いや、サッカー選手は頑張ったけど、庶民は違うから。フォルランやスアレスはすごいけど、あのひとたち天才だから。例外ですから。

日々の生活で、ここちょっと工夫したらいいのに、なんだかなあという事に遭遇して帰宅してこのCMを観ると、いや、現在のレベルで「俺らスゲエ」って満足せずに、もうちょっと頑張って生産性上げてもらわんと困るんですけど、と、もうガックリ来ます。


あと何かと言うと「小国だから」というエスケープゾーンに逃げ込む事。
経済が奮わないのも「人口が少ないから」、オリンピックでメダルが取れないのも「人口が少ないから」。日本が経済的に発展した事についても「人口が1億人以上もいりゃそりゃねー。俺らしょうがないよ、だってたった300万人だもん。」ですんで。

その裏返しで何かいいことがあると(2010年W杯4位とか)、「我らは小国なのにすごい!」と、実力を小国なぶん過大評価。あっそーすか…。



サッカーのカップ数にしたって、別にブラジルやアルゼンチンと比べんでも、その2国と比べて凄いからってそこで安心してめでたし、じゃなくってさ、ウルグアイ国としてどういう国を目指してるか、そこが肝心なんじゃないかなあと思うんですが。


ウルグアイはいい国ですよ。
未だに1960年代の映画でもセット無しでそのまんま撮れそうな、クラシックな風景を残している国で、ノスタルジーに満ちたいい国ではあります。ひとものんびりしてて、素朴な人が多いです。

でもそういう観光目線での素晴らしさと、マジこの国で生き残らないといけない生活者目線は別。言い方を変えると60年代から変化してないと言うことでは大変です。



ですがメディアではこのCMのようなトーンでウルグアイの素晴らしさを絶えず称えていますので、知らない間に世論と言うのは「我らはこれでよい」で落ちついているような危うさを感じます。

日本のように絶えず自虐的なのも辛いですし、ウルグアイ国民としての誇りを持つ事も大切。かといってあまりに現実とかけ離れた栄光の残照ばかりを追われても、明るい未来は勝ち取れないと思うのですが。


と、たかだか砂糖の宣伝で考えてしまいました。

8.07.2012

南米のマスコット、ビンボ。

ウルグアイのスーパーにパンを買いに行くと、必ずと言っていい程見かけるパンブランド。


その名もビンボ



日本語的にはビジネスにはすごく縁起悪ーい名前なのですが、ウルグアイはもとより南米地域で大きなシェアを誇る、製パン業の一大グループです。

BIMBOはメキシコに本社のある会社BIMBO groupのいちブランドで、中米〜南米地域はもとより、スペイン、さらに北米、中国でも販売しています。


このBIMBOのマスコットが、osito bimbo(小熊ビンボ)。






いや、可愛いんですけどね。すごーく愛らしいんですけど、名前がね。
Bimbositoって、Bimboとosito(小熊)をかけてるんですが、どうも日本人的にはスペイン語と日本語が混ざったハポニョール読みをしてしまって、『貧乏ちゃん』と頭に浮かんでしまうので困っている今日この頃です。もうだいぶ慣れましたが…。

8.03.2012

AUF、スアレスに対する英国観衆の態度について申し立てをする予定。

さてロンドンオリンピック、盛り上がっておりますね。


ウルグアイ勢は残念ながらこれまではメダルには届いておらず。
特にメダルが期待された男子サッカーも、予選グループで敗退という不本意な結果に終わってしまいました。これはウルグアイ国民、かなりがっくり。



さて、その男子サッカー。ウルグアイ vs イギリス戦で、とウルグアイ国家斉唱時、およびスアレスに対するイギリス人観衆のブーイングがひどすぎて敬意に欠けていたと、AUF(ウルグアイサッカー協会)がFIFA(国際サッカー連盟)とConmebol(南米サッカー連盟)に抗議をする予定であると発表されました。


スアレスが観衆に攻撃される材料になった出来事は、もちろん、2011年10月に、現在スアレスがプレーしているプレミアリーグの試合で相手チームの選手エブラに人種差別的発言を行い、さらにその行為による出場停止から復帰後の再対戦時にエブラとの握手を拒んだ事です。


AUFの言い分としては、『スアレスはブーイングを受けるべき選手ではなく、ウルグアイ国も敬意深い国であり、ブーイングに値する国ではない。またオリンピックの精神に反する。この観客の行為は、ウルグアイチームの予選敗退よりも遺憾である。』だそうで。

さらにスアレスは既に8試合出場停止という処分を受けており、犯した過ちは精算しているので、今後もこの件で攻め続けられるべきでないともされています。

イギリス人がどの位アンチ人種差別なのかはさて置いて、少なくとも自国代表と対戦するウルグアイのエースに対してプレッシャーをかけるいい口実にはなりました。


またスアレスと言えば、2010年W杯時、対ガーナ戦の『神の手』事件もあり、それでもってもスアレスはフェアでない選手であるというイメージがついてまわっています。



一方でサッカーというスポーツ自体が過激な応援がつきもののスポーツで、あらゆる罵詈雑言が選手に対して投げつけられるのでオリンピック精神にそぐわないのかも知れませんが…。とはいえ、起こってしまった事についていつまでも避難されるのは、さすがにスアレス本人とスアレスを擁護するチームメイトも気分が悪いようです。


ただ、ウルグアイに住むいち外国人としては、AUFの抗議については同意しきれない所もあります。もちろん観衆がスアレスはともかくとして、国歌斉唱時にブーイングをするのは敬意を欠く行為であるので、訴えたらいいんでしょうが(とはいえ、オリンピックではないですが、W杯予選でウルグアイ人観衆が相手国の国歌斉唱時にブーイングをした事だってあるんですけどね。)、同国内の異人種およびウルグアイ人以外の外国人に対する、人種的・文化的・慣習的配慮の無さ、排他的な態度を肌で感じている為、AUFが自分たちが攻撃された時だけ敏感になる事に非常に違和感を感じるのです。
もっとざっくばらんに言うと、『いや、キミ達、そんなに自分らで言うほど敬意深くないし。』とツッコミたいというか。


スアレスの人種差別発言についても、国内の庶民の間ではスアレスが国際的な場でやってはいけない事をやらかしてしまったというよりも、外国人細かい事でスアレスをいじめんなよーまったくウルグアイ文化を分かってねえな〜という上から目線の論調の方が強かったので、国際的な場での人種差別に対するピリピリしたデリケートさ、オリンピックの観衆のスアレスに対する反応強さは、一生分からないのかもしれませんけどね。


まあ、スアレス選手はウルグアイではもちろん大人気なんですが、その一方でアタマに血が上ったらあんまし後先考えずに行動・発言する悪い癖も国民はよく知っています。
ウルグアイの愛すべき問題児、スアレスを擁護するAUFの抗議、さて、どう受け取られるんでしょうね。